俺が勤めているこの町工場は、パート正社員合わせても男女20名足らず。平均年齢は高めで女性は気さくなおばちゃんばかり。多分ここにいる限り、若い女の子との出会いは期待できないと思われ、でもまぁ一見そんな枯れた環境でも、そういうのを期待していない俺にとっては、居心地が良かったりする。「キヨさんって素敵ですね」ふと同じ職場の染谷にそんなことを言われる。キヨは染谷の空気感が好きだった。なんかいい。それが好きに変わるまで時間はかからなかった。そして、職場の飲み会でキヨは自分の想いを自覚する。もう二度と男は好きにならないと誓ったのに…。
タイトル：この恋をもう知ってる 上
作者：月村有李
出展元：pixiv
